お弁当のありがとうの気持ち

2018/09/09

3歳のAくん

のっぱら終わってお家に帰ってから

お弁当箱を出さなかった

 

ママに

「お弁当箱出さないとママお弁当作れないよ!」

でも出さなかった

だから知ってた

お弁当箱の中にご飯もおかずも入ってない事を

 

(一応お母さんからは私たちに事情を教えていただき、別にお弁当は用意してくださっていました。Aくんがどうするか?何を学ぶのか?のっぱらに任せてくださいました。ありがたいことです。)

 

お弁当の時間

 

悲しい顔して涙がポロポロ

のっぱらさんたちみんなが集まってきました

 

「どうしたの?食べないの?」

「何が悲しいの?」

お弁当を開けたら空っぽ!

昨日のままです

 

「お弁当出さなかったの?」

ウン

涙がポロポロ

 

「あのね、みんなあげたい気持ちあるよ!」

首を縦に振りません

「お腹が空いて遊べなくなっちゃうよ」

首を縦に振りません

 

どんなに言っても食べないの一点張り

 

困りました

 

「あれ?ひょっとしてお弁当もらうとみんなのがなくなっちゃうからもらえないの?」と先生

ウン

 

そっかぁ〜!!

3歳のAくんは考えていたのです

自分のせいでみんなのお弁当がなくなっちゃったらみんなが悲しくなるんじゃないかって!

 

「みんなでちょっとずつなら、お腹空いたまんまにならないよ」

「いつもぶどうとかパンとか持ってきてくれるから食べて欲しい」

 

やっと

やっと

食べることにしてくれました

 

その後、

みんなからの愛情弁当出来上がり

 

みんなの愛でいっぱいのお弁当だから

美味しくて

美味しくて

IMG_9538

でもね、Aくん

ありがとうの気持ちはあるけれど

ありがとう言えなくて明日言うことにした

 

次の日の朝

いつもより遅く登園したAくん

 

ありがとうをみんなに言う事が

大きすぎて重すぎて

やっぱり言えない

 

「ありがとうの気持ちはあるの?」

ウン

「言うの?」

ウウン

どうやらありがとうの気持ちはあるけれど

みんなにはやっぱり言えない

 

「言えるようになったらでいいよ」

「気持ちだけ受け取っておくよ」

優しいのっぱらさんたち

 

「ありがとうの気持ちはどこにあるの?」

 

言葉では言えないけれど

みんなと握手

ありがとうを握りしめている手で握手

みんなAくんのありがとうの握手が嬉しくて

Aくんに「ありがとう」

 

のっぱらのみんなはAくんが気持ちがあるのを分かってる

だから、ありがとうが嬉しくて

 

ありがとう