僕の大切なもの(3歳児)

2015/10/08

_MG_6351登園の時に、
車から降ろす、降ろさない。持って行く、持って帰る。
と何やら親子の声が、のっぱらのお家の中に聞こえてきました。

登園をして遊んでいた子ども達が、親子のやりとりの様子を聞いていて

「持って来たかった物があるんじゃないの。」
「持って来たら、みんな貸してと言うし。」
「持って来ない方が良いんじゃないの。」
「でも大切だから、のっぱらに連れて来たかったんじゃないの。」

と様子だけで、状況を感じとりAくんの気持ちに寄り添ったり、お母さんの気持ちに寄り添ったり自分の事と照らし合わせたりとココロの動きがありました。

みんなは、Aくんがどうしたのかは、空想の中にそぉーとしまい、Aくんがリュックサックを置きにお家に入ると大事な物の姿が無かったので、持って来なかったんだと思っていました。

気になる友だちは
「大事な物を、持って来ると無くなるよ」
「持って来ない方が良いんじゃないの」
とやんわりとアドバイス。

保育士がどうしたの?と聞いてみると
「リュックサックの中のお家に入れたよ。」
と教えてくれました。
どうやら、持ってくると決心した様子。

この時点で、大事な物が何なのかは、誰も見ていないのです。
Aくんのリュックサックの大切な物も、一緒に森へ出発。

いっぱい遊んで、お弁当の時間になり、どこで、食べるかな?と子ども達と相談していると一番小さいHちゃんがお弁当を広げて準備オッケー。
みんなもここで食べようと言う事になり思い思いのところで、お弁当の準備オッケー。

ところが、ここで食べないで違うところで食べたいと涙ポロリのAくん。

さぁみんなどうするのかと様子を見ていると、Aくんの気持ちが切り替わるのを暫く待つ事を選択。
頃合いを見計らい、年長児がAくんのリュックサックからシートを出すとAくんも気持ちが落ち着きはじめみんなと一緒にここで食べる決心。

その時
リュックサックの中から、あのあの
Aくんの大切な物も一緒に飛び出したのです。

あっと驚く子ども達。

かなり大きめのリアルなあひるのぬいぐるみが。

ああああアヒルだったの。
それもかなり大きめの。
よくリュックサックの中に入ったものだ。
重たかっんじゃないの?

子ども達の中には色んな気持ちや思いがぐるぐる。
しかし、そこは、Aくんの気持ち優先を選択。
自分の気持ちはそぉーとしまい、ことばにしないのがみんなの優しさ。
「いただきます」とお弁当の時間となりました。

さて、次の日
大切なアヒルはお母さんの車の中で
お留守番だという事でした。

子どもってすごい。
まず、自分で何をどうしたいのかの決定する力があるという事。

登園の時に大人や友だちが持って来てはいけないと決めると
『他人に決められた事』。

でも、持って来ないと決めた事は、
『自分で決めた事』。
この違いがとても大事。

そして、友だちがAくんの気持ちに寄り添い、自分ならどうするのか?Aくんの気持ちも分かるしと、相手の思いに自分の気持ちを重ねてみる事で、自分の気持ちや思いを確認する事。

子ども達のココロの動機にいつも感心させてもらっています。

ありがとう。