のっぱら年長登山
2015/12/07
「おはよう!」
元気な顔が3人そろい、登山口へ出発!
朝の会。
「お山にのぼって、どんなことしたい?どんな気持ちでのぼりたい?」
と問いかけると、
「どんぐり、まつぼっくりとかひろいたい」
とCくん。
「ツルをみつけたい」
とSくん。
「がんばってうえまでいきたい」
とAちゃん。
それぞれが、目的をもって出発しました。 山へ入ると、観音様を発見。
「見守っててください」
とお参りをして先を行くと、また観音様がいました。
「かおがちがうね」
「てがいっぱいあるよ」
など話しながらお参り。 途中休みながら、しばらく歩くと…白いものが。
「ゆきだー!」
みんなの足のサイズぐらいの雪が積もっていました。大興奮で雪をさわったり、丸めたり。 しかし、しばらく歩くといつのまにやら足元の雪がいっぱいになってきました!
「ちょっとキレイなところをたべてみよう♪」
とパクり。エネルギー補給。
「あ!なにかのあしあと!」
と子どもたち。
「あ!これはリスだねぇ」
と、Aさんが教えてくださいました。その後も、次から次へと足跡を見つける3人。
うさぎ、たぬき?きつね?…。
また誘い込みしばらく行くと、雪の道が何かに踏み荒らされたような凸凹道になっていました。
「イノシシだね」
とAさん。
かなりの距離、雪&凸凹の歩きにくい道がつづきましたが、しっかり踏みしめ、よく歩いていました。
険しい道をひたすら歩く。木々の間から見える景色がだんだん変わっていくのを感じてはいましたが、
「わぁ!きれい!」
とCくん。
突然、木がなくなり青空が頭の上に広がりました。そして、展望台に到着。
「わ~。山だ!」
といつもは遠く高くに見える山々が、目の高さと同じくらいに見えました。
「すごい!なんか、おもちゃみたい!」
と飯田の街を見下ろしました。
「かえりたくなくなるわ」
とCくん。
「ここにうちつくって、すみたいな」
とSくん。
のっぱらのみんなのことを、思いながら、一人ひとりの名前を呼びました。 さて、お昼ご飯・・・と思いきや、雪だるまを作り始める3人。
「いちばんたかい雪だるまかもね!」
と記念撮影をしました。 展望台は、日当たりがよく寒さはありませんでしたが、雪でみんなの足元がびしょぬれ。 「おひさまでかわかそう」
冷えた手をおひさまにかざし、
「あったかーい」
「おひさまがちかいね」
とAちゃん。
おひさまのありがたさを感じながら、おにぎりをいただきました。 Aさん特製のスープと梅干し、りんごもいただき、元気いっぱい! リュックを置いて、いよいよ白山社奥宮に出発です。 歩き始めてまもなく、鳥居に到着。 その先が、険しく細い道。
「集中して歩こうね」
とAさんに伝えられ、真剣に歩きました。
岩場があり、ドキドキ。慎重に乗り越えました。そして石段があり、ここを昇るといよいよ神社! …でしたが。 石段は雪、氷があり、危険な状態でした。
「行きたいけど、行かないと決めることも、勇気なんだよ」
とAさんに伝えられ、ここで断念しました。
「ここでお参りしようか。神様はわかってくれるよ」
とみんなでお参り。
ここまでの3人のがんばりは、間違いなく見てくださっていると私も信じています。 展望台に戻り、休憩。
「こんどは、おとうちゃんたちときたいなぁ」
とSくん。
「また来れるといいね。だけど、今日のこの景色はきっと今日だけだね」
と伝えると
「やま、バイバーイ」
3人で向こうの山々に手をふっていました。
そして、下山。 帰りはすべったり、転んだりでしたが、みんなは元気元気。 おしゃべりしながら、宝物を拾いながら歩き、無事に到着しました。
帰りの会。
「今日はどこががんばったの?」
「あし!」
「て!」
「あたま!!」
とSくん。
「あたま?どうして?」
と聞くと
「かんがえたから。」
「何を?」
「あしがぬれたけど、どうしようかなって考えてかわかしたの」
とこたえてくれました。
「頭も、手も、足も、きっと心もがんばったね!」
みんなで、身体中をよしよし、お友達をよしよしと撫でてさようなら。
「Aさんになんて言おうか?」
「Aさん、いっしょにいってくれてありがとう」
「おやまのことおしえてくれてありがとう」
などそれぞれ伝えてくれました。
ずっとにこやかな表情で楽しそうだった3人。 山を守る神様がいること、その山には動物たちがいること、雪積もる山の険しさ、展望台から見た景色…。 これから成長していく中で、何かひとつでも心の中に残るものがあるといいなと思います。