池にはまったながぐつ

2017/12/24

12月になりました

のっぱらの子どもたち、寒くても元気にもなみ園で遊びます

 

ある日の出来事です

 

Yちゃんの長靴が池の泥んこにはまりました

 

もなみ園では池に足がはまるとなかなか抜けなくて

やっと抜けたら足だけ抜けて長靴が埋まってしまうことがよくあります

その1回はまってしまった長靴を掘り出すのは

本当に大変!!!

 

いつもいつも大騒ぎの大事件!!になるのです

 

その日もみんなそれぞれ夢中で遊んでいました

その中

「はまったぁ~!!」

という声が聞こえたのです

 

夢中で遊んでいた子どもたち

その声を聞いて

遊びを放り出しスコップ片手に集まります

 

Yちゃんのために

 

一生懸命

 

誰も大人の顔色見ません

 

今は12月

手は冷たくなります

泥んこになります

 

冬なので

スキー用のブーツなのですが

それに茶色の冷たい水が染み込みます

 

その行為は

 

誰かに褒められたいから

ではなくて

 

Yちゃんのため

 

はまって靴下まで濡れてしまって困っているYちゃんのため

 

冷たくなって泥んこになっていく自分たちの手や足

そんなことはおかまいなし

 

その姿はかっこいい!!

涙が出ます

 

「あったぁ~~!!!」

 

真っ黒になった長靴

やっとやっと泥んこから出てきた!!

 

あれ?

そこにはYちゃんがいない

 

Yちゃん

足がはまって足だけ抜いた後

寒くて着替えに行ってたのでした

 

履き替えた靴下の上にビニール袋をはいて

その上から川で洗ってきれいになった長靴を履いてニッコリ

 

池から泥んこの姿で戻ってきた仲間たち

わずかにお日様の当たる場所をみつけてシートを出して着替えます

 

袖も泥んこ

靴下ぐっしょり

冷たい冷たい手と足

濡れているので上も脱ぎにくいし

下も靴下からズボンから全とっかえ

 

なんで?

なんでそんなに頑張れるの?

 

「だってYちゃんが長くつがないと困るから」

「Yちゃんのお母さんだって(長靴が出てこなかったら)悲しいよ」

寒さより冷たさより仲間のために行動できた喜び、誇らしさがにじみ出る

 

それをずっと立ち尽くして聞いて見ていたYちゃん

 

Yちゃんが言った

 

 

「みんながYちゃんのことを考えてくれて嬉しい」

「Yちゃんのお母さんのことまで言ってくれとった」

 

涙がぽろぽろ出てくるYちゃん

 

「だけどYちゃんはYちゃんのことを(自分の事だけ)考えとった」

何かがYちゃんの心に刻まれた

 

 

自分が大事

自分が1番

世の中そんな大人ばかりの社会

自分さえよければいい

世間で何が起こっていても見て見ぬふり

世間の事件は他人事

何も感じない

 

でも

のっぱらでは

仲間のことは自分のこと

仲間の気持ちを考えて行動することは普通のこと

 

自己犠牲からの行動ではなくて

仲間に貢献することの喜びを感じている子どもたち

 

そんな子どもたちを見てどうしても涙が出てしまうのです

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