キツネが見せてくれた生と死・・・その後
2018/04/26
森の中でキツネと会った
そして、次会った時同じ場所で
キツネは変わり果てた姿になっていた
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キツネが見せてくれた生と死
その後、時が経ち春になった
キツネと出会った年長さんたちが卒園間近
また、そこを通ることになった
その道を歩く
「キツネさん、どうしてるかな?」
その場に近づく
言葉はない
そこにいた
いつももなみ園では死んだ動物がいると土の中に埋めて手を合わせる
今回もそんな事を言い出す子
「土の中に埋めてあげたい」
おばあちゃんが最近亡くなってそれを体験した子は
「おばあちゃんときも埋めだんだよ。だから、埋めてあげたい」
死んだばかりの鳥を土に埋めたことがある子は
「手で拾ったらあったかかったんだ。埋めてあげたんだ。だから埋めてあげたい」
美術博物館に持っていくと骨を展示してくれる事を知っていた子は
「美博に持っていきたい。いつでも会えるから」
キツネのことを考えた子は
「家族がいるから離れたところに連れていくのはかわいそう」
結論は出なかった
私たち大人も答えが分からない
答えがないのだ
そのあと
絵本「のにっき」を読んだ
のにっきは親子のカワウソが出てくる
親が死に
自然に還っていく
そんなストーリー
その中で自然に還っていく中で死んだ体が虫たちの営みの場になり
土に還っていくまでをリアルに物語ったもの
子どもたちは食い入るように絵本を見た
私たちがなぜ読んだか?
私たち大人も分からないからだ
自然の中で生まれた動物は自然に還っていくもの
と頭で分かっていた
そう、頭で
私たち大人自身も初めての経験で衝撃的だった
大人はすべての事象を頭で理解し分かったつもりでいる
それをえらそうに子どもたちに教える
愚かなことだと思う
だから、私たち大人は答えを導くことはしなかった
絵本を読んだ後
子どもたちが言った
「キツネさんの側に葉っぱが生えとった」
「キツネさんはあそこにいたから、あのままがいい」
どの子も深くうなづいた
子どもたちが最終的に選んだ事
それはキツネそのものをそのまま森の中に
私たち人間がどうこうしてあげようなんておこがましい
キツネは森の中で生まれ森の中に還っていくのだ
子どもたちはそれを心で感じ選択した